井坪 直美 
私の父はアルコール依存症だった。2020年に両親を名古屋から長野県飯田市に引き取り同居を始めた。
介護は思った以上に苦しかった。
自分自身心の学びでずいぶん自分と向き合ってきたつもりだったが、父と再び暮らし始めると脳の反応が酷かった。
自分の認知の歪みから父と言い合い、つかみ合い、突き飛ばし、小さかった頃にはただただ殴られるしかなかったし、悔しくて悲しくて怖くて緊張していた。
でもあの頃の父とは違い、痩せて弱っていたからチカラも私は負けない。
2年の介護、同居を経て2023年3月に特別養護老人ホームに入居した父。
同じく同居した母は2階フロア。父は1階にしてもらい、離れたいと望んだ母の願いを叶えて父には母が同じ施設の2階にいる事は告げていない。
新型コロナウィルス感染からの入院、そこからレスパイト入院で精神科に入院を許可してもらえて、老人保健施設に一旦入り3月に特養入居。
介護生活中には可哀想な状況にならないように、何とかしてきた。父のためじゃないかもしれない、私が親を見捨てて幸せにしてあげられないダメな奴になりたくなくて必死に父を何とか助けようとしてきた。
自分がなりたかった養育里親になり、里子を迎えて、旦那さんと暮らしているその生活よりも、私は両親に執着した。
インナーチャイルドが暴走した。
限界を感じ助けてくださいと必死にお願いして、両親に私が虐待してしまう危険も聞いてもらい特養の入居を早めてもらえたのかもしれない。
特養入居から3か月。父は原因不明の熱が続き食欲は一気に落ちた。自宅ならヒーリングやエネルギーワークやアロマセラピーで回復させたと思う。母と一緒だったから回復もできた。それはもうやらないと決めた。
食欲が無くなっていき、熱が出る原因を病院で精密検査してあげませんか？と施設から言われたが、私は必要ないと答えた。施設の職員の方々からの視線が痛い感じがした。
フロア長さんが「これまでが相当大変だったって事ですよね」と思いやりで言ってくれたのだと思うが、腹立たしさしかなかった。
完全に母から離れ、1人になりドンドン弱っている父。
あれだけ母に暴言を吐き、精神的に苦痛を与えていた存在がどれだけ生きるチカラになっていたのかよくわかる。
久しぶりに見た父は車椅子になっていてげっそりしていた。もう日常会話もできないし、私を認識してても名前は出てこない。憎たらしさ、恨みもある。でも愛している思いも嘘じゃ無い。
でもげっそり痩せて認知症が進行してる父にもう何も言えないし、恨み辛みをぶつけたいわけじゃない。
でも素直に父の人生を讃え受け入れる事なんてできない。よく生きたねって言えない。認めることなんかできない。
お酒に逃げて暴れて子どもたちを殴り、母を束縛し暴言を吐き続け、いつも自分は被害者で恨んで嘆き悲しんでいた。そんな父を軽蔑しバカだなと思っていた。
見下し嫌いだった父のように私が今なっている。
自分に自信がないから人をバカにして大きくみせる。
愕然として自分が怖い。インナーチャイルドが悲しみ、怒っている。1番嫌いな父のように自分がなっている事が恥ずかしくて、情けなくて、自分を消したくなる。
とりあえず、いい人っぽく父を受け入れ優しくヒーラーの特性を活かして癒して愛を与えて徳を積もうなんてことは蹴っ飛ばし、自分の恨みや憎しみをエネルギーだけじゃなく言霊でぶっ放した。
「何で殴られなきゃいけなかったの？私が何悪かったの？何で愛してくれないの？何で怖い思いしなきゃいけないの？と泣きながら吐き出してみた。旦那さんに。
たまに繰り返す摂食障害からの克服として、食べることを許可できなくなって混乱すると伝えた。
だれにも最近は言ったことなかった。言語にしてなかった。恥過ぎて笑い話にもならないし、嫌過ぎて私が蓋をして頑なに開かなかったところを初めて開いた。
吐き出して声をあげて大泣きした。
旦那さんは
「話せたって事は大丈夫。もう克服できる」 と私に言い「お父さんを好きだから苦しいっていうのは、自分がお父さんを好きだとわかってる」と伝えてくれた。
父が肉体を離れる準備は進んでる。父に優しくなりたい。この人生よかったね、私は娘でよかったよって心から伝えられたら嬉しい。
心底思えるか今はわからないけど、私は私のできる事を最大限やる。インナーチャイルドに向かい合って抱きしめて愛を伝えつづけようと思う。
インナーチャイルドを癒していくと、子ども本来の楽しむココロや喜びや創造性が湧き出てきます。ヤングリヴィングアロマオイルのワイエルチャイルドはそんな本来の純粋なインナーチャイルドのエネルギーを引き出してくれるオイルです。
この香りを日々取り入れながらしばらく過ごします。
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