毎日の積み重ねで絆を深めていく養育里親と里子

12月17日に映画「育ててくれて、ありがとう」上映会、岩朝しのぶ先生オンライン講演会&トークセッション&里親制度相談会を駒ヶ根市で開催しました。

夏に里親会役員会議で開催すると決めて動いてきました。慣れないチラシ作りからスタート

伝えたい事や思いをこのチラシにつめ、興味を引くようなデザインって難しいですね…だからプロのデザイナーさんがいるんですよね。私はチラシ作りでもうイベント終わった感になりました、笑。

前日に会場でDVDを通して流してみて確認したし、オンライン講演会のスムーズなカメラの切り替えも練習したのに、当日DVDは途中で止まりもう一度始めから流したり、zoomのネット回線状況も良くなくてしばらくお待ちいただいたり、ビデオカメラの画像に切り替えられなかったり色々ありましたが…なんとか無事に終わりました。

会長さんが本当に大変だったと思います。
ありがとうございました。

映画「育ててくれて、ありがとう」

初めて見た感想

すごく共感しました。私が体験してることって里親あるあるなんだなーと思いました。

里母、里父の気持ち
実親さんの気持ち
里子さんの気持ち

わかりやすく映画に表現されてるなーと思いました。我が家の場合は大きくなってからの委託でしたので真実告知は必要なかったのですが、真実告知は大切なことだけど、めちゃくちゃ怖いし勇気いるだろうな…と思うのです。

赤ちゃんの頃から一緒に暮らせば里親でも「お父さん、お母さん」という認識で日常生活を送ります。

私たち夫婦は「おじさん、おばさん」として里子を見守っていくってスタンスでしたのでもうすぐ2年になりますがパートナーは「おじさん」のままです。

私の場合はあまりに毎日「おばさん」と言われ続けるのでやっぱり違和感になり名前を読んで欲しいと伝えました。

最初は恥ずかしいから嫌だって言ってましたが今では「なっちゃん」と自然に伝えてくれます。映画の中ではお母さんが2人いるんだよってシーンがありましたが、我が家の里子さんはお母さんは1人って気持ちがあり、私もそれを尊重したいと思っています。

でもちょっとさみしい。

我が子のようにかわいいと感じたり、毎日学校へ送り出し、日々一緒にご飯を食べて、学校のことや友達の話も聞く。塾の送り迎えも。

背が伸びてきたから服を買い替えたり、靴を一緒に買いに行ったり、寝る前にアロマケアしたり、泣くのを見守ったり、反抗的な態度に腹が立って感情的になったり、PTAの役員やクラスのお母さんたちと関わったり、授業参観に行ったり、担任の先生とお話したり、連絡帳でやり取りしたり、音楽会や運動会を見に行ったり、修学旅行で少ないお小遣いの中でお土産を選んで買ってきてくれたり…

あげたらキリがないくらいお母さんしてるぢゃんって思ってます。だからお母さんはお母さん1人だって言う里子さんの気持ちを聞くと、その言葉は私のハートにトゲがささるなーって時があります。

毎日お母さんやってんのはこっちぢゃんって。
でもそれは私のエゴだとわかっているから里子さんにはお母さんの話も聞くし、実親さんとの交流も私がちょっと重い気分になってるのに気づきつつ「お母さんと楽しい時間を過ごしておいで」と送り出す優しい気持ちも気づいてます。

帰ってきてからお母さんとの話やどうだったかも聞く時間も大切にします。天然石ブレスレットをしていたと聞いたので里子さんに「自分でブレスレットをお母さんのために作ってプレゼントしてみる?」と聞いたら「作ってプレゼントしたい!!」と即答だったから今度一緒に作ることにしました。

自分のあらゆる気持ちに蓋をせずに感じます。

日本子ども支援協会代表理事の岩朝しのぶ先生のオンライン講演会で聞いた話なのですが、委託を受けて1年未満で里親、里子の関係性が育む事ができずに委託措置解除になるケースが4割くらいなのだそう。正直(そんなにあるんだ…)と思いました。

実際愛着形成のプロセスとして試し行動は本当にどの里子さんにも起こる事なのでそれを体験することは避けて通れません。

我が家でも1年は本当に大変でしたし、今でもそのプロセスを里父、里母、里子が日々の暮らしの中で学んでると思います。

我が家の里子さん

写真は絶対撮らない、映らない
ここで暮らしてるけど家族じゃない
家族は親だけ

そんな拒絶反応をただ受け入れてきました。それでもいいんだよって。

私のエゴがあるので「自分は愛されない」「愛しても悲しいだけ」みたいな声、思考がよぎり苦しくて、血のつながりなんて無くても大丈夫!とか、私は養育里親として生きてるし母ではないと奥底の気持ちに自分が触れたくないから思考で蓋をして暮らしてきた最初の1年。

でもこの思考を何とかしないと一緒に暮らしていけないのはわかってました。今なおパートナーと別れを選択することなく里子さんと暮らせているのは呼吸道を学び実践したおかげです。

瞑想することによってマインドを鎮め思考が自分ではない事に気づき始めた頃から色々が変わってきました。
道はゴールがないので今ものんびり歩いています。

新聞にも養育里親として取り上げていただきました。養育里親でよかったなって今は思います。

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里親同士の交流サイトもある事を教えていただいたのでまた参加してみようと思います。

私は生物学上も戸籍上も母になる事はこの先もないけど、毎日の暮らしを生きてる喜びや幸せや朝ウッドデッキに出て空を見上げて呼吸して感じる内側のハートの震えに涙が出る感覚とかを大切に生きよって戻る事を思い出せた事が宝だなぁと思います。

「学校に来ても自分の方を見ないでね」
「声をかけないでね」
「自分に見つからないようにして」

そんな言葉は血のつながった母ならチクって胸に小さなトゲは刺さったりしないのかな…って思いました。

この話を誰かにしても「男の子はみんなそうよ〜」って返ってくるし、同じ養育里親さんでも赤ちゃんや乳児院の頃に委託され暮らしている里親さんはすっかりお父さんお母さんになってるからちょっと違う…自分のハートに入っていけばいくほどそんなエネルギーが重くあるのに気づきハート瞑想をしていく日々。 

すると今年の秋頃から変化が起こり始めました。

私が好きな場所へ一緒に行きたいって言ってくれるようになりました。

作ったお茶碗で毎日ごはん食べる里子さん、向かいの席で私もご飯を食べる。やっぱりかわいいし、血のつながりとか母とか母じゃないとか大切なのはそこじゃねーじゃんって思い出す。

そして先日の話。

何と!!

来年3月の卒業式や4月の入学式に写真を一緒に撮ってくれるって言ったーーーーーっ!!

よくあるやつ!入学式とか筆文字で書いてある看板のとこで親子で写真撮るやつ!アレです、アレ。

「なっちゃん、一緒に撮りたいよー」と言ったら「えー、まぁ、いいよ」とまさかの返事が来て「マジマジ?いいの?3人で一緒に写真撮れるの?」と興奮してはしゃいで言ったら「あぁ、もうわかったから、ハイハイ、いいよ」と私が諭される子どものようになってました、笑

言ったよね、確かに…「卒業式は黒っぽい服でしょ。入学式はもうちょい明るい服ね」とリクエストされイメージまでしてくれたし、泣

うんうん、買います買います!何着てこー

毎日の暮らしを積み重ねでいくだけ。
生きて朝迎えられた事に感謝して幸せを祈る。
里子さんのお母さんも会ったことないけど
やっぱりありがとうございますって思う。
自分の本質から映し出す世界で生きよう。

当たり前のように見えてしまうけど当たり前じゃない日常生活を丁寧に送る事に意識を置いて生きる

絆がいつのまにか深まり
信頼関係が創られていて
起こる事が起こる。

私たちは大切なことに気づける。

思考や性格や肉体が自分ではないって
気づきで毎日の暮らしの喜びに
気づけるようになった。
これからも出会えた里子さんとの
毎日を積み重ねていこう。

社会的養護の子どもじゃなくなり
措置解除された後の事はまだ来てもない
未来の事だしね。

今ここ。

苦しい感情は何とかしようとか
蓋してポジティブにするとかでなく
ただエネルギーを感じて流していく。

寂しさも悲しさも痛みも
ずっとあり続ける、変わらないって嘆きも
思い込みに過ぎない事に気づき
エネルギーだとわかったら
常に流れていくものだとわかるから。